

一口含んだ時
飛騨の美しい
山河の情景が浮かぶ
そんな酒です。
飛騨の美しい
山河の情景が浮かぶ
そんな酒です。
天領酒造
上野田 又輔
上野田 又輔
Q.天領酒造さんではどのお米を使用しているのですか?

A.「ひだほまれ」です。有名酒造好適米にも負けないお米です。
酒造好適米は「山田錦」を初め「五百万石」「美山錦」など有名な品種も含め種類はたくさんありますけど、おもに「ひだほまれ」を使用しています。「ひだほまれ」は飛騨特産の酒造好適米で、心白が柔らかく外側が堅いので最適な蒸米になります。
寒冷な飛騨でも山間の寒暖の差が大きい水田で栽培されていて、粒は「山田錦」などに比べても大きなもので、柔らかく壊れやすくて磨きにくいのですが、とても旨味がでる米です。
米が大きく重いので稲穂が下がりやすく、土についてしまうことがあるために、農家はあまり「ひだほまれ」を造りたがらないのですが、最近「ひだほまれ」を使った日本酒の知名度が上がってきたこともあり、少しずつですが栽培農家が増えてきました。
当蔵では全量、契約農家に依頼して、上品質の原料米を生産をしていただいています。
Q.天領酒造さんのお酒の特徴は何ですか?

A.飲みやすくて雑味がなくスッキリとしています。
やわらかいのに辛口で、どんな料理にも合うってことでしょうか。ご飯のお供はたくさんありますよね。
海の幸山の幸豊富です。
お酒も米からできているので、上手く造れば何でも合うんです。
昔はキレと香りの強い、辛口の酒が好まれていましたが、あまり香りが強すぎると食事には合わないということで、近年はいくぶん香りを抑えた酒造りを行い、食中酒として愉しんで頂ける酒を目指しています。
もちろん、酸味や辛味でバランスをとり、味わいに変化を造っていくことも大切です。
Q.お酒造りに関わっていて良かったことはありますか?

A.「飛騨」が「日本」が受け入れられていると実感できます。
空港や物産展などで行われるイベントに参加させていただくことがあります。来ていただいたお客様に試飲をして頂くのですが、飛騨の酒を飲まれたことのない県外の方や外国の方から「飛騨の酒は美味しいんだ」と認めて頂いた時は嬉しいです。
また、私がアメリカに留学していた時の話ですが、当初は慣れない異国の地で苦労も多く、なかなか友人もできなくて大変だったんです。
それが、ある時「自分の家では酒を造っている」という話をしましたら、「SAKE」が好きで興味があるから色々教えてほしいと、あっという間に人が集まってきてビックリしました。
「SAKE」は海外でも有名ですから話題性としては最高でしたね。助けられました。
Q.個人的にお好きな銘柄は何ですか?

A.「純米吟醸ひだほまれ」です。
まず香りがいいです。花酵母を使用して醸した、華やいだ香りが特徴で、味わいはやや辛口。
キレの良い爽やかさがあって、何時でも飲める万能なお酒です。
どんな料理にでも合うと思います。
海外ではワインのようにイタリアンに合わせている方もいらっしゃいますよ。
飛騨は山も川も綺麗で、そんなところじゃなきゃいいお酒はできません。
「純米吟醸ひだほまれ」は一口含んだ時に、飛騨の緑豊かな山河の情景が浮かんでくる。まさにそんなお酒です。